競輪

【競輪】建設中の熊本競輪場を取材 バンク形状が姿を現す

建設が進む熊本競輪場。奥が1コーナー。右の高い足場は設置中のセンターポール

 熊本競輪場は2016年の熊本地震で被災し、来年24年度の再開を目指して工事が進んでいる。8年ぶりの本場開催が近づく同場の現状を10月30日、取材した。(野口雅洋)

改修されている熊本競輪場のメインスタンド。特別観覧席も設けられる

■周長減でもゴール線は不変

 熊本競輪場は2016年4月の地震で被災。それ以降は本場開催が行われていない。500バンクは改修されて、400バンクになる。〝滑走路〟と呼ばれた日本一長い69.5メートルの見なし直線は、約60メートルに短縮。ただゴール線の位置は以前と同じで、審判棟などの設備は動かさずに使用。ゴールライン以外を縮める形でバンクの土台が形成されている。同場の西真一郎所長は、「近日中にバンクの舗装に入ります」と、走路の工事は追い込みに入りつつある。

■バンク近くに駐車場を新設

 バックスタンドは取り壊されて、隣接する陸上競技場の屋内練習場を建設中。メインスタンドや、2コーナー側の管理棟は既存施設を改修して使用する。ミッドナイト用の照明設備もバンクを取り巻くように設置される。バンク周辺の老朽化した建物は取り壊されて、駐車場となる予定だ。

 走路を舗装しても試走を重ねる必要があるなど、本格運用へはまだまだ多くの段階を踏まなければならない。西所長は「来年6月に、すべての準備を終えたい」とした。

2センターの外側からの工事現場。手前のスペースは新しい駐車場になる予定

 西所長「私は4月に着任しましたが、多くの皆さまのご尽力で再開に向けた流れがここまでできました。そのご苦労を忘れずに今後もやっていきたい。皆さまから愛される、競輪を観戦する以外でも多くの方に来ていただけるような場所にしたいと思っています」

完成予想図を手にする熊本競輪の西真一郎所長

 日本競輪選手会熊本支部・西島貢司支部長「ローラー台数の確保など、施行者には多くの要望を受け入れてもらいました。地元での開催がないつらさは、選手が一番分かっている。そんな中でも若手を中心に結果を出してきており、競輪場が再開すればもっと強くなるんじゃないかなと期待しています。再開へ向けて、競輪に直接関係ないイベントにも地元選手が顔を出してのアピールもやっていきます」
 

日本競輪選手会熊本支部の西島貢司支部長
施設内の倉庫となっている場所にあったポスター。7年半、時が止まったままの熊本競輪場がいよいよ来年、再び動き出す

 

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