競輪

【小倉競輪(ナイター)GⅠ競輪祭】眞杉匠が単騎でV オールスターに続く2冠

 小倉競輪の6日制ナイターGⅠ「第65回競輪祭」(優勝賞金4590万円)は最終日の26日、12Rで決勝戦があり、単騎の眞杉匠(24)=栃木・113期・S1=が優勝した。眞杉のGⅠ制覇は8月のオールスター(西武園)に続き2回目。2着は先行の深谷知広マークからBS抜け出しを図った松井宏佑。3着は2角捲りの太田海也マークから直線伸ばした松浦悠士。6日間の総売上額は130億円を超える戦況だった(目標額125億円)。

優勝賞金ボードを掲げる眞杉匠

ヒーロー

 関東の若きエースが、また大仕事をやってのけた。単騎での戦い。眞杉は「南関が行くと思っていた」と深谷―松井―簗田の3車を追走。その読みどおりに南関が先行し、4番手をキープした。「単騎で何もできなかった反省を生かせた」と、その時点でVへの流れはできあがっていた。

 今年のオールスターでGⅠ初制覇。24歳の若者はそのとき「神山(雄一郎)さんが初めてGⅠを取ったのが25歳。それまでに取りたかった。ただし今回は番手での優勝。次は神山さんのように自力で取りたい」。作新学院高の偉大過ぎる先輩を目標に、鍛錬を重ねた。

 競輪祭では初の決勝。だが緊張はなかった。「単騎は得意。オールスターより気楽だった」と、昨夏の小松島記念でVを飾ったとき同様の一人での戦いだった。真後ろにいた太田海也の2角捲りに反応。「自分でも驚くくらいにうまく反応できた」と合わせて踏んで、さらには3角では抜け出した松井の後位に、狙いどおりに入った。「4角番手だったので、あとは抜くだけだった」と力を振り絞っての追い込み。「100点のレース」と振り返った。

 「神山さんはGⅠ何回ですか?」と報道陣に質問。16Vと教えられ、「あと14回、頑張ります」。年末のグランプリは、GⅠ制覇と同じ単騎戦になりそうで「すごくいい流れで挑める」。神山が16度挑戦して一度も勝てていない大一番で、サクッと優勝してしまいそうな勢いだ。(野口雅洋)

 ◆眞杉匠(ますぎ・たくみ)1999年2月1日生まれ。宇都宮市出身の24歳。私立作新学院高卒。113期として日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入り、2018年7月函館でデビュー(①①❸)。ホームバンクは宇都宮。師匠は高校の先輩の小田倉勇二(埼玉・91期)。23年8月の西武園GⅠオールスターで初タイトル。GⅢは3V(22年3月名古屋記念、同7月小松島記念、23年5月宇都宮記念)。通算成績は469戦188勝、優勝25回。通算獲得賞金は2億7664万1800円。175.6センチ、76キロ、A型。

【決勝VTR】
 号砲とともに松浦と南が飛び出し、松浦がS。太田―松浦、深谷―松井―簗田、眞杉、脇本―南、北津留で周回が落ち着く。近畿と北津留が青板BSで上昇して3~5番手。赤板で深谷が誘導を切り抑え先行。眞杉も南関3車を追走。5番手は太田で鐘。脇本は鐘4角8番手スパートも、松浦のけん制に遭い終1角で後退。終2角で太田が仕掛けると、その前にいた眞杉が合わせて踏み上げ、松井もBS番手捲りで抜け出す。だが簗田が松井に離れ、終3角では松井後位は眞杉。ゴール前で眞杉が逆転し、松井2着。3着は太田後位から終3角で眞杉に切り替えた松浦。

【戦い終わって】
 松井宏佑(2着)悔しいです。深谷さんはどんな展開でも先行すると決めていた。後ろが来ているのを見えてから踏んだ。同期の眞杉君にやられたのも悔しい。今場所は自分の成長を感じるシリーズだった。練習してタイトルを取れるように頑張ります。
 松浦悠士(3着)太田君が行くなら終Hでしたね。行けていたら面白かった。自分は最後内に行けていれば2着はあったかな。GPについては現時点で勝負になる状態まできているし、上積みもできると思う。
 太田海也(4着)作戦通りいけて、狙い通りの位置も取れた。自分の踏み出すタイミングの遅さがすべてでした。ワンテンポ早ければラインが機能したと思う。これから勉強していきたい。
 北津留翼(5着)情けない。本音は1センターで行きたかった。ただ、脇本君とかぶって仕掛けるタイミングを失った。一発に懸けていたので消化不良。今年はいろいろなことがあったけれど、また来年頑張ります。
 簗田一輝(6着)松井さんを追走するか車間を空けるか迷った。車間を空けることを選択したが、口が空いてしまってそこを眞杉君に入られてしまった。
 南修二(7着)脇本君の発進する態勢が整う前に行かれてしまった。仕掛けをちゅうちょした分、反応が悪かった。
 脇本雄太(8着)僕から最初にアクションを起こさないとと思った。黙っているだけではいけないという意識はあった。ただ、自分の反応が悪かった。自分の中では西武園での落車から早く戻ってこられた方だと思っている。
 深谷知広(9着)抵抗なく前に出られたので、そこからは自分のペースで駆けた。この1年は前に助けられたので、自分が前の時はその気持ちで戦った。自分のやれることはできたと思う。

決勝戦の写真、7番車が眞杉匠
ガッツポーズの眞杉匠とうなだれる松井宏佑(右)
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