競輪

【別府競輪・GⅢ開設記念】守澤太志が2年越し連覇、〝九州男〟4度目記念V

別府記念を優勝し、表彰式で観客席へ向けて花束を掲げる守澤太志

 別府競輪のGⅢ開設73周年記念「オランダ王国友好杯」は最終日の10日、12Rで決勝戦を行い、守澤太志(38)=秋田・96期・SS=が優勝した。守澤のGⅢ制覇は昨年11月の四日市記念以来、通算4回目。2着は守澤マークの内藤秀久。3位入線は先行した松本秀之介マークの大塚健一郎だったが、押上げにより失格。外から追い込んだ佐々木豪が3着となった。4日間の総売上額は51億4285万200円で、目標額の51億円を超える盛況だった。

表彰式でタレントの脇あかりとツーショット写真に収まる守澤太志

■ヒーロー

いつも沈着冷静な守澤が、ゴールの次の瞬間にガッツポーズを見せた。別府は今年3月にGⅡウィナーズカップを行ったため別府記念は2年ぶりだったが、2年越しの連覇をアピールする右拳だった。

 「自力で優勝できるとは思わなかった」。追い込み選手だけに、ライン先頭で決勝を戦う時点で厳しい戦いを覚悟した。だが、「内藤さんに付いてもらったことで気合が入った。できることをやろうと思った」。九州2車の後位に入ると、終1角では三谷の動きを察知しけん制。2角手前では「そこを行かないと終わっちゃう。ダメでもまた次に考えようと思った」と捲りを敢行した。3角で先頭に立つと11秒8の上がりで押し切り、内藤とワンツー。SSの底力を見せつけた。

 今回はSSの赤いパンツでなく、S級1、2班の黒パンツで走ろうと持参した。「恥ずかしいじゃないですか」。GP出場を逃したため目立つ色に抵抗があったが、規定により赤パンで出走。今年はこれまでVがなかったが、決勝ではその色にふさわしい、輝きを放つ走りを披露した。

 別府は「昨年の秋に家族で来た。ハーモニーランドにも行った」とお気に入りの温泉街。これで記念4Vのうち3度が九州。佐世保の全プロ記念優勝もある北国生まれの〝九州男〟だ。今節、「SSはもういいです」と控えめなコメントに終始した。だがこの力量なら、来年の競輪祭を終えたときにトップナインに返り咲いている可能性は十分だ。 (野口雅洋)

 ◆守澤太志(もりさわ・ふとし)1985年7月20日生まれの38歳。秋田県大仙市出身。秋田県立大曲農高卒。96期として日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入り、2009年7月青森でデビュー(③①❷)。20年の平塚GP(4着)からS級S班として活躍。通算成績は1148戦278勝、優勝37回。グレードレースの優勝は久留米記念(16年6月)、別府記念2回(21年6月、23年12月)、四日市記念(22年11月)のGⅢ4回。170.7センチ、75キロ、B型。

 【決勝VTR】号砲で浅井が飛び出して、三谷―浅井、松浦―佐々木―渡部、守澤―内藤、松本―大塚で落ち着く。赤板で守澤が誘導を切ったが、すかさず松本が守澤を超えて先行態勢。東日本が3、4番手、中近2車が続き、中四国3車が最後方で鐘。三谷が終HSから捲りに行ったが、守澤のけん制に遭って内藤の外に浮いて並走。守澤が2角3番手から捲って3角先頭。内藤も三谷と九州の間で守澤を追走。東日本勢を追った松浦と、松浦の外になっていた三谷は大塚の押上げで落車。守澤は内藤を振り切って勝利。3位入線の大塚は失格となり、2角から大外を捲った佐々木が3着となった。

表彰式を終えてガッツポーズで引き揚げる守澤太志


 

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena