競輪

【佐世保競輪・GⅢ開設記念】荒井崇博が移籍初年度に地元記念完全V

 佐世保競輪のGⅢ開設73周年年記念「九十九島賞争奪戦」は最終日の17日、12Rで決勝戦を行い、九州5車連結の3番手からBSで捲った荒井崇博(45)=長崎・82期・S1=が優勝した。荒井のGⅢ制覇は2021年11月武雄の施設整備等協賛競輪以来、通算17回目。2着は荒井マークの井上昌己。最後方から捲り上げた単騎の小川真太郎が3着。2車単280円、3連単1620円の人気決着だった。4日間の総売上額は53億8909万8900円だった(目標55億円)。

地元記念となった佐世保記念を制して笑顔の荒井崇博

■ヒーロー

 〝西九州のボス〟は、地元バンクが武雄から佐世保に変わっても強かった。荒井崇博が九州3番手から捲って完全V。「移籍して一発目(の地元記念)に優勝できるとは思わなかった。そのガッツポーズ」と、ゴール後に突き出した右の拳を振り返った。

 レースは1番車の荒井がS取り。先行を狙う伊藤颯馬と番手の久島尚樹に、外から小林泰正が激しく競り込む。荒井がその後位で様子を見ている間に、荒井後位に平原康多―鈴木裕が入り込み、打鐘を前に井上昌己は荒井との連結が外れるピンチ。だが荒井は、井上が荒井の後方外まで追い上げたのを確認してBS捲り。盟友を引き連れてワンツーフィニッシュを決めた。

 準決後は「僕が点を持っていたのもあって、わがままし放題だった」と5車での連係を先導した。だが「わがままを言ったからには、絶対に1着を取らなきゃというのがあった。優勝できて良かった」。言いたいことを口にするだけでなく、結果で示すところにボスたるゆえんがある。

 45歳にして17回目のGⅢ制覇。だがまだまだ達成感はない。「来年こそは、どうゆう形であれグランプリに出てみたい」。来年の佐世保記念は12月19日開幕。有言実行の荒井だけに、連覇を狙う舞台ではなく、静岡での競輪界最高峰レースを走っているかもしれない。(野口雅洋)

 ◆荒井崇博(あらい・たかひろ)1978年4月3日生まれの45歳。長崎県千々石町(現雲仙市)出身。私立龍谷高卒。82期として日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入り、佐賀支部で1999年4月佐世保デビュー(①①❷)。2001年にヤンググランプリ(平塚)を制覇。今年の2月に長崎支部へ移籍。通算成績は1999戦525勝、優勝62回。グレードレースの優勝は武雄開設記念4回などGⅢ17回。177.0センチ、77キロ、A型。

 【決勝VTR】号砲で荒井と久島が飛び出して、伊藤―久島―荒井―井上―塚本、小川、小林―平原―鈴木で落ち着く。残り3周過ぎで東ラインが上昇して、誘導員の後ろで九州勢と並走。赤板で伊藤と小林の激しい主導権争いの末、伊藤が主導権を確保したが、小林は番手の久島に競り込む猛ファイト。赤板1半で井上―塚本が離れて、荒井の後位に平原―鈴木が入る。井上は鐘4角から追い上げて終HSで平原と並走。荒井は井上を連れてBS捲りを放ち先頭でゴール。単騎の小川は、最後方で脚をためての2角捲りで3着。

 

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena