【立川競輪・グランプリシリーズ】山口拳矢が「中部6番車」の伝統引き継ぐ
山口拳矢は、単騎で今年のGⅠ日本選手権(平塚)決勝を制した。初ビッグ制覇は2年前のGⅡ共同通信社杯(岐阜)で、そのときも単騎。デビュー最速でのビッグVという記録も打ち立てた。今回も単騎。いかにも穴のにおいがする。
近況は活躍が目立たなかったが、5月にGP出場権を手にした影響が大きい。「気持ちにブレーキがかかっていた」と、年末をにらんだ戦いを続けたことで競走得点は112点まで下がっている。メンバー中、得点最下位だからか、6番車での出場。それでも「中部の選手は6番車でGPを取っている。自分もそうなりたい」と前向きだ。6番車でのGP優勝は過去、岐阜・山田裕仁(2003年)と、三重・浅井康太(15年)の2人だけだ。
今回、単騎の選手はほかに深谷と眞杉がいるが、どちらもバリバリの先行選手。どこかで自力を出したくて仕方がないはずだ。もちろん、ラインの先頭を任された選手も後手に回るわけにはいかない。山口は航続距離が短いことを自覚している。その中で、脚をためるだけためて一撃を狙うはずだ。ダービーでは、犬伏湧也マークから抜け出す清水裕友を、狙い澄ました直線外強襲で逆転した。
フレームはダービーVのものを「縁起を担いで」2カ月ぶりに本番投入する。父・幸二さんが初めてGPを制した立川で、新王者が誕生するかもしれない。
▼11R(山口拳矢)前夜祭の前の共同記者会見で、深谷知広に連係を持ちかけるジョークを振られたが、「深谷さんが中部から移籍したので」と丁重に断っていた。終わってみれば意外とそれが伏線だったりしないか。6―5=12349。
▼10R(井上昌己)11RのGP同様に、過去にGPを制した選手が3人も走る。3人のBOXを含めて、GP出走歴のある園田を絡める。259BOX、59―259―7。