山口がGⅢ初制覇 【伊東】

伊東競輪のG3第6回施設整備等協賛競輪は19日、最終日の12Rで決勝戦が行われ、山口拳矢(27)=岐阜・117期・S1=が直線鋭く伸びてG3初優勝。2着は隅田洋介、3着には久保田泰弘が入った。
■ヒーロー
山口の冷静なレース運びが光った。「やることは変わらないですけど、中団よりは前を取って脚をためようと。(石塚)輪太郎さんと並走で苦しかったですが単騎でも入れないという方針で」。同期の青野、阿部が激しい先行争いを演じる中、石塚をさばいて中団をキープ。出切った阿部を利した隅田-久保田の番手捲りにスムーズにスイッチし、直線に入ると鋭く伸び切った。
「素直にうれしい。踏んだ瞬間、脚にきている感じもあったので」。3番手から一気の伸びは持てる能力の高さゆえ。勝負強さも父の山口幸二さん譲りで、表彰式にも現れたが「もう慣れたものです」と余裕の笑顔。アマ時代から気にかけてくれた村上義弘氏にも「いいところを見せられて良かったです」と表情を崩した。
昨年は成績が上がらず、苦しい時期も過ごしたが「今年はグレードレースに参戦できる。決勝常連になれるように。目標はG3の優勝とG1で決勝に乗ることだったので、次はG1の決勝を目指します」。次走に予定する別府を挟み、地元の大垣記念、ウィナーズカップとグレードレースが続く。飛躍の2023年、山口の進撃が始まった。