競輪

古性が大会連覇 全日本選抜 【高知】

優勝しカップを手にする古性優作
優勝しカップを手にする古性優作

 高知競輪(高知市)で行われたG1「第36回全日本選抜」(優勝賞金3642万円)は26日、最終12Rで決勝を行い、古性優作(32)=大阪・100期・SS=が先行した脇本雄太を差して勝利した。古性は大会連覇を飾るとともに、年末のKEIRINグランプリ2023(立川)の出場権を一番乗りで獲得した。2着は新田祐大マークの守沢太志、3着は古性後位の三谷竜生。4日間の総売上額は約96億円(目標99億円)だった。

■ヒーロー

 連覇の喜びとともに、古性は脇本の器の大きさを思い知った。喜びの言葉より前に、「あんなに行ってもらえるとは思っていなかった。選手としての違いをすごく感じた」と感想を口にした。鐘3半から直線半ばまでけん引してくれた先輩に対し、とてつもない何かを感じたレースだった。

 初日特選11Rでは自力戦で2着だったが、その後の3連勝は全て脇本の番手からの差し切り。決勝こそは「初日の脇本さんみたいになるかと思った」と、捲りで1着だった初日のレースをイメージしていた。それが、ラインから優勝者を出そうという鐘3半カマシ。「びっくりした。選手として格の違いを感じる」と、優勝しながらも脱帽。「とにかく脇本さんと連係を外さなくて良かった」。先輩の走りを無駄にしないことが、優勝より何より大事だった。脇本の番手を狙って飛び付いてきた新田を終1半で撃沈。腰の状態が万全でない脇本の思いをくみ取って、直線で力強く抜け出した。

 古性は「村上さんがいなくなって、改めて近畿の選手の真価が問われている」と、近畿全体のことも口にした。昨年秋に引退した村上義弘氏(京都・73期)は“近畿の総大将”だった。だがもう、古性や脇本が新たなリーダーとして背中を見せ続けるしかない。「期待に応えられるよう、目の前のレースを頑張っていく」。今大会、三谷竜生も3年5カ月ぶりにG1決勝の確定板に載った。2人を中心に輪が広がり、近畿王国が築かれようとしている。 (野口雅洋)

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