【岐阜競輪・GⅠ全日本選抜】山田英明が準決2着で「もう一度」の思いかなえた
山田英明の挑戦は終わっていなかった。3年4カ月ぶりのGⅠ決勝進出。2年前、取手でのこの大会で落車。骨盤骨折などの大けがを負い、その後は低迷を極めた。それでも諦めることなく、「もう一度GⅠの決勝に乗りたい」が口癖になった。その思いでコツコツと努力を重ね、調子を戻してきた。
今回は特選スタート。チャンスと感じていた。自転車も「以前に乗っていたフレームに、セッティングを変えて練習。感じがいいので本番で使います」と向上心も忘れていない。「自力にもうこだわりはない」と、犬伏湧也―清水裕友の3番手にも付いた。
準決10Rは単騎戦だった。眞杉匠―守澤太志の後位で周回。2角捲りの眞杉に対して「内が空いた」とBSで内を進撃。内を閉めてきた守澤にも踏み勝って、終3半で4番手まで到達すると、さらに4角で内を突いて伸ばした。逃げ粘る脇本雄太を抜き去って2着。泥くさい勝ち上がり方だが、それが山田の持ち味とも言える。
内抜きの審議となったが、「失格でも、勝負した結果」と悔いはなかった。到達順の通りに確定し、「いやぁ、もう(GⅠ決勝を)諦めかけていました。諦めたわけではないけど。でもやれることをやれば、まだどうにかこうにか乗れることが分かった」と自信も取り戻した。
挑戦はこれで終わりではない。大けがの前までよく口にしていた「GⅠを勝ちたい。グランプリに乗りたい」という夢はまだかなえられていない。GⅠ初決勝は34歳、4日制GⅢ初制覇は35歳と、すべて難産の末に目標に達してきた。山田の競輪人生にふさわしくもある40歳での初タイトルを、持てる限りの力で取りに行く。