競輪

【岐阜競輪・GⅠ全日本選抜】郡司浩平が3年ぶりGⅠ制覇、神奈川の結束力見せつけた

全日本選抜を優勝し、表彰式でSKE48の松本慈子(左)に花束をもらう郡司浩平

 岐阜競輪の「令和6年能登半島地震復興支援競輪・第39回全日本選抜競輪」は12日、最終12Rで決勝を行い、郡司浩平(33)=神奈川・99期・S1=が同県の北井佑季マークから差し切って、3年ぶり3度目のGⅠ制覇を果たした。郡司は優勝賞金4000万円を手にするとともに、年末のGP切符を獲得した。2着は神奈川3車後位から捲って郡司に迫った清水裕友、3着は新山響平の番手にハマってBS捲りを放った北井佑季だった。4日間の総売上額は103億5990万6600円だった(目標95億円)。

■ヒーロー

 神奈川の結束を見せつけた大会だった。決勝は郡司浩平が北井佑季マークから追い込んでV。後位を固めた松谷秀幸とともに、唯一3車のラインが躍動した。

 レースは後ろ攻めから北井が先行態勢。鐘3角カマシの新山響平が後位を離して飛んできたが、北井は冷静に番手に入り、すかさずBS番手捲り。最後まで内を閉めて3番手を固め続けた松谷にも支えられた郡司は、直線で迫ってきた清水裕友を退けた。

 2予も北井、準決は松井宏佑の番手を回った。3戦続けて同県をマークし、前の頑張りに応えてVを勝ち取った。「今開催はラインに助けられました。自分の力だけではここに立てなかった」と感謝の言葉を忘れなかった。

 「昨年は苦しい1年だった」。5月の地元の平塚ダービー準決で落車。右肩甲骨を骨折した。ビッグレースの決勝には一度しか乗れず、2019年から続けていたGP連続出場は4で止まった。そこで競輪祭の後は年末まで全休して、「今年に向けて気持ちを入れ直した」と、心と体を整えた。その効果で年初から「体調も良く、自転車のでも良かった。ここへも自信を持って入れた」と、苦しみを乗り越えた者だけが身につけられる強さを発揮した。

 2月の全日本選抜Vは2度目。年末のGP切符をいち早く手にしたが、「メリットでもあるしデメリットの面もある」と年末までの長い時間を過ごす上で注意すべき点も分かっている。「今年はまだ始まったばかり、これにおごらず頑張りたい」。大目標は8月、地元平塚のオールスター。「南関勢を引っ張っていって、グランプリに一人でも多く連れていきたい」。今年は神奈川勢を中心に、南関が暴れ回る予感がする。 (野口雅洋) 

 ◆郡司浩平(ぐんじ・こうへい)1990年9月4日生まれの33歳。横浜市出身。横浜商高卒。2011年1月、神奈川支部99期でデビュー(川崎2、1、(8))。通算成績は1017走で366勝、優勝49回。GⅠ優勝3回(20年競輪祭、21、24年全日本)、GⅡ優勝3回(17年ウィナーズC、19、22年共同杯)。通算取得賞金は7億6434万8874円。ホームバンクは川崎。師匠は父の郡司盛夫(神奈川50期・引退)。167センチ、80キロ、太もも62センチ、A型。

 【決勝VTR】古性―南(大阪)、清水―山田(西国)、新山―浅井(即席)、北井―郡司―松谷(神奈川)で周回。赤板で神奈川が上昇したが、西国が先に切ってその上を神奈川が抑える。神奈川、西国、大阪、即席で打鐘。新山が鐘3角でカマすと浅井は離れ、北井は終1角で冷静に新山に番手に入る。追い上げる浅井を目標に大阪が進出を図るが、浅井は終1半で力尽き後退。大阪は2角からBSにかけて外の浅井と内の山田の間を突く窮屈な進路を取る。清水はスムーズに松谷を追いかけて3角手前から捲るが、神奈川の先頭の北井もBS番手捲りで応戦。清水は郡司の外まで迫ったが、直線で伸ばした郡司を最後まで抜けずに2着。北井は踏み続けて3着。古性も伸び続けて前を猛追したが4着。

表彰式を終えてガッツポーズで引き揚げる郡司浩平

 

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena

関連ニュース

  • Twitter
  • Facebook
  • Hatena