ボートレース

【若松ボート(ナイター)GⅠ周年記念】瓜生正義 特別インタビュー【前編】勝利の極意は「やるべきことを一つずつ」/9月27日開幕

 通年ナイター開催のボートレース若松(北九州市若松区)のGⅠ開設72周年記念「全日本覇者決定戦」が27日に開幕する。大会名にふさわしく、SG覇者18人をはじめとした全国の強豪が集結。優勝賞金1200万円を目指して10月2日までの6日間、激闘を繰り広げる。そのSG覇者の一人で、地元のエースとして大会に臨むのが瓜生正義(48)=福岡=だ。2021年末のSGグランプリ(住之江)を制覇後、22年、23年と一般戦も含めてまさかのVゼロだったが、今年3月にVを挙げて長いトンネルから脱出。そんな復調モードの実力者に、大会への意気込みや選手会代表としての日々、レースに臨む極意などをじっくりと聞いた。

瓜生正義(うりゅう・まさよし)
 1976年3月5日生まれ。福岡県飯塚市出身。嘉穂東高卒業。登録番号3783。95年5月にデビューの76期。96年12月、平和島で初V。GⅠは98年7月にとこなめ周年で初Vを挙げ、通算21V。SGは2007年6月の住之江オールスターで初制覇し、通算11V。年間タイトルは最優秀新人(1998年)、MVP(2016、21年)、最多勝金獲得(16、21年)最高勝率(11、13、14年)、最多勝利(11年)など。22年6月、日本モーターボート選手会代表に就任し、全選手をとりまとめる。159センチ、52キロ、A型。

 

 ――今年はここ数年の中でも充実した成績のように思います。自己評価はどうですか。

 「まあ普段通りかな。変わりないですよ(笑)」

 ――3月に、2021年末以来の優勝を挙げたことも評価の対象外ですか?

 「優勝のことは意識していなかったんですよ。むしろ自分の周りが気にしてくれていたみたいですね。いつだか言われて、『そういえば、優勝していないかもしれないなあ』と思った程度でしたから」

 ――優勝への意識が強いから、ずっと第一線にいるのだと思っていました。

 「勝ちたい欲求が薄いんですかね(笑)。ただ、勝たなきゃと意識すれば緊張して、力を発揮できなくなる。視野を広く保つには普段通りでいることが一番。勝ちたい気持ちは奥に秘めて…、というふうに考え出して、それから勝てるようになり出したと思います」

 ――全く意識しないのですか?

 「勝つことはもちろん頭に置きます。その前段階として、もっと大事なことがあるでしょ、ということです。レースはいきなり勝てるわけではなくて、何秒前に起こしてスタートして…というところからしっかりやらなくては始まらない。レースに臨む際にも、プロペラ調整をどうするかという準備がある。一つ一つ、やらなきゃいけない手順があるということです」

 ――その極意はいつ、身に付けたのですか。

 「若い頃は違ったでしょうね。正直、何にも考えていなかった。30代になってからかな。もっとしっかりしなきゃいけないと思うようになりました」

 ――その頃に何があったのですか?

 「植木通彦さん(同じ福岡支部の横綱選手で2007年に引退)が辞めて、(2011年に)上瀧和則さん(佐賀支部のエース。今年引退)は選手会の副会長に就いて実戦を離れるようになった(当時の選手会役員は専従)。身近な先輩たちがそうなって、後輩たちもどんどん出てきて、自分がちゃんと考えて行動しなきゃいけない立場になってきた。自分で変わろうとしたというより、周りの環境でそうなりました」

 ――SG初制覇は植木さんの引退直前でしたが、09年、10年にもSG優勝。上瀧さんが副会長に就いた11年はSG年間2V。

 「僕にはその考え方が合っていたのかなと思います」

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