【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】前田将太 悲願のSGVを達成

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■ヒーロー
ようやく悲願にたどり着いた。予選首位と戦線をリードした前田将太(36)=福岡・102期=が、インからコンマ09のトップSを決めて他艇の攻めを完全にシャットアウト。7回目の挑戦で、ついにSGウイナーの称号を手に入れた。「Sは全速だったかな。あまり覚えていない。でも、むちゃくちゃうれしい」。いつものクールな表情とは一変して相好を崩した。
戦前から「主役はグランプリの人たち」と肩に力を入れず、自然体のスタンスを崩さなかったことが大仕事へつながった。「優勝戦も全く緊張しなかった。柄にもなく力を入れて走った秋口が全く良くなかったんで、自分は自然体で走ることが大事なんだなと分かった」。今までタイトルに届かなかった理由をおぼろげながらもつかんだことは、来年に歩く道を明るくしたのは間違いない。
このVで、喉から手が出るほどに欲しかったSGクラシック(来年3月、若松)の出場権を獲得。地元で迎える来年のSG開幕戦に駒を進めた。「今回はもう(狙いは)それだけでした。やっぱりグランプリの18人に入りたい。SGウイナーになったことよりも、来年のグランプリに出ることが大事なんで」
このVによって、同世代でしのぎを削ってきた岡崎恭裕、篠崎兄弟(元志、仁志)に肩を並べた意味は大きい。2025年は福岡のエースへと株を上げるためにも、グランプリというまだ見ぬ頂へ登ることを誓った。(森大輔)

■プロフィル
◆前田将太(まえだ・しょうた)1988年3月23日生まれの36歳。福岡県粕屋町出身。須恵高卒。登録番号4504。2008年5月デビューの102期。そのデビューからわずか1年7カ月の09年12月に福岡で初優勝。12年前期のA1初昇格は一気に7点勝率で達成した天才レーサー。通算187優出47Vで、SGは7回目の優出で今回が初V。同期では遠藤エミ、河合佑樹に続いて3人目のSGウイナー。生涯獲得賞金は約6億9502万円。兄・健太郎との兄弟レーサー。168センチ、55キロ、A型。