【津ボート・GⅠ周年記念】愛されキャラが異例の「即刻、水神祭」

■ヒーロー
昨年は全選手最多タイの9Vを挙げたVハンター・菅が、今年はついにGⅠタイトルを射止めた。「引退するまでには取りたいと思っていたけど…。1Mを回ってから感極まって、ゴールの瞬間は泣いていました」。最高の喜びに浸った。
多くの力添えに応えられたことが何よりのうれしさだった。「たくさんの人に励まされっぱなし、支えられっぱなしの一節でした」
準優前の緊張をほぐしてくれたのが、親交の深い西山貴浩ら。優勝戦では同期の磯部誠が助言。「彼が失敗した経験を踏まえながら、こうすれば大丈夫と言ってくれて勇気づけられた」

その段取りは全てぴたりといき、インからコンマ10という最高のタイミング。仕上げた抜群のパワーも相まって、悠々と1Mまで持たせて押し切った。
つらい日々を乗り越えた先のこの日の歓喜だ。2023年9月、からつ周年の優勝戦でFを犯し、昨年1年間はGⅠ・GⅡを一切走れなかった。「落ち込んで気持ちも不安定になったけど、師匠や家族、仲間らに支えられて立ち直れた」。それが9Vという量産劇。
直近の失意からも回復。前節のSGクラシック(若松)は6着ばかりの大惨敗。今節を欠場することまで考えたほどだが、「ファンのたくさんの応援に勇気づけられた」。もし欠場なら今回のVもなかったところ。ファンの支えで機会を逸さずに済んだ。
ゴール後、通常は単独で行うレスキューでのウイニングランには、同期や先輩たちも同乗する異例の展開。そして、そのまま観客の前でドボンと水神祭。表彰式にはぬれたカッパのままやって来た。「ビショビショで表彰式に出た選手って、今までにいないのでは? 涙を隠すためというのもあるんですけどね」

盛り上げ好きで照れ屋さんの愛されキャラの人気は、得票7位の今年のオールスター(5月、まるがめ)の投票結果からも分かる通り。「師匠の近藤稔也さんから授かった『人から後ろ指を差されない、外からのレースで勝って来い』というスタイルをこれからも続けていきたい」。その精神でファンを笑顔にし続ける。(深堀慎一郎)
■菅章哉がGⅠ初制覇で通算33回目のV
■ヒーロー菅章哉 異例の「即刻、水神祭」
■優勝した菅章哉のプロフィル
■優勝戦VTR チルト2度の長田頼宗は3着守れず
■ボートレース獲得賞金ランキング(4月9日18時0分現在)
■ボートレース津 出走表(予想)掲載一覧
■ボートレース津 ニュース一覧
