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競輪なんでも相談室

レースの前半、1列になって走るのはなぜ? 途中まで先頭にいる人は?(用語解説から裏話まで―「競輪なんでも相談室」)

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Q:レースの前半、1列になって走るのはなぜ? 途中まで先頭にいる人は?

初心者はつみ

レースの前半、1列になってゆっくり走るのはなぜですか? 先頭を選手じゃない人が回ってて、みんな付いて行ってますよね

西スポ野口記者

レースに出ない選手が「先頭誘導員」としてレース途中まで選手をけん引することになっているんだ。「先頭誘導選手」「先頭員」とも言うよ

初心者はつみ

先頭誘導員?

西スポ野口記者

列の先頭の選手は風の抵抗を多く受けることになるよね。これでは誰も先頭に行きたくないのでレースが成立しない。そこで風の抵抗を避けて走れるようにするために、先頭誘導員を付けている

前の位置を取った選手は先頭誘導員の後ろにピタリと付いて走り、その他の選手も前の選手にピタリと付いて走ることで体力を使わないようにしているので、1列に並ぶことになるというわけ

初心者はつみ

それにしても随分ゆっくりしてるように見えるっちゃけど…

西スポ野口記者

映像では伝わりにくいけど、残り2周(1周400メートルバンクの場合)の時点でも時速45キロを超えるようなスピードで走っているんだ。ママチャリでは出せないようなスピードだよね

初心者はつみ

原付バイクより速いんですね! でもずっと後ろだと嫌だから、早めに追い抜きたい人もいるんじゃないですか

西スポ野口記者

男子の場合、1周400メートル走路では、残り2周より前に先頭誘導員を抜くと失格になる(333メートルだと2周半、500メートルだと1周半)。早く前に行きたい選手でも、その後で追い抜かないといけない。追い抜こうとすると、誘導員が退避する(コースから内側に外れる)んだ

初心者はつみ

あーね。だからみんなじっとしてるのか。ガールズだと何か違うんですか

西スポ野口記者

ガールズケイリンや、男子でもケイリンアドバンスは「先頭固定競走(インターナショナル)」というルールで行われる。従来の競輪だと先頭誘導員は選手の動きを見ている審判室からの指示で退避するんだけど、こちらは決まった所で誘導が必ず退避する。333メートルや400メートル走路だと残り1周半、500メートル走路だと1周。それまで選手は、この先頭誘導員の自転車の最後方より後ろで周回をしないといけない

初心者はつみ

へー、退避のタイミングが決まってるレースと決まってないレースがあるってことか。何か複雑!?

西スポ野口記者

まずはそういうものだと分かっていれば十分じゃないかな

初心者はつみ

ところで先頭誘導員って誰でもできるんですか。ちゃんとお給料も出るんですよね

西スポ野口記者

そうそう。でも誰でもというわけではなくて、競輪選手のうち先頭誘導員の免許を持っている人しかできない。地元の選手が務めることが多いね

レース当日に集合して、1日に数レースを担当。自分の担当レースが終われば帰宅という流れ。開催中は出走選手との接触がないように別行動で、兄弟など縁故選手と同じレースを走ることがないように受け持つレースを調整されるんだ

初心者はつみ

なるほど ここにも公正を保つための仕組みがあるわけですね

【用語解説】
バンクの長さ:1周400メートルが最も多く、333メートルの短走路(前橋のみ335メートル)、500メートルの長走路に大別される。国際大会が行われる世界のバンクの多くはさらに短い250メートルが標準で、日本の競輪場としてはPIST6が行われている(25年度下期休止)千葉のみが該当する。
ケイリンアドバンス:25年度上期に試行された、ガールズケイリンと同じく先頭固定競走(インターナショナル)ルールによる男子選手のレース。ラインを組まず、他車をけん制するいわゆる横の動きが厳しく規制される。

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