「3つの難病に罹(かか)り、病気と戦っています」
ガールズケイリンの刈込奈那(かりこみ・なな、25歳)=千葉・120期・L1=がインスタグラムで、自身の病状と治療に専念して復帰することへの意欲をつづった。
「退院できました!
治ったら…復帰できたら…言おうと思っていたのですが、たくさんの方の力を借りた今、今できることは今するべきだと思いました。
だから、退院できたこのタイミングでお話したいと思います。
私は今、免疫と血液の病気と戦っています。
後天性血栓性血小板減少性紫斑病(後天性TTP)、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、免疫性血小板減少症(ITP)、という3つの難病です。
そして、全身性エリテマトーデス(SLE)という4つ目の難病と血栓症の疑いもあります。
西武園の1日目に赤血球が足りなくなったことで貧血になり、所沢の病院に救急搬送されました。
血小板が普通の人より2桁も少ない状態で白血病を疑われました。
所沢の病院から千葉の病院に転院して数日後、自分の名前が言えなくなりました。
そこから先は意識がなくなり、気づいたらICUにいて、数日が経っていました。
血漿交換(血液成分の血漿を、成分献血して頂いた血漿と入れ替えること)をはじめ、いろいろな治療をしていただき、ここまで元気になることができました。
今でも毎晩、明日の朝も起きられるのかなって怖くなります。
でも、今日も起きられた。ご飯も食べられた。今日も歩けている。
それってあたりまえじゃなくて、感謝すべきことなんだなと日々感じています。
今、自分が生きていること、医学の進歩で助かったこと、皆様が献血してくださること、感謝の気持ちでいっぱいです。
だからこそ、もっと献血に行けばよかった。
幼い頃、両親が献血に行っているのを見ていました。そして、大人になったら行くのがあたりまえだと思っていました。
でも、私は6回しか献血できなかった。
成分献血が何かも良くわかっていなかった。
献血された血液に助けて頂く側になって、成分献血や献血のことを調べ、そのありがたさに涙がでました。
私は輸血(血漿交換)をして頂いたので、もう献血はできません。
この文章を読んでくださった方が献血に足を運んで頂けたら、どれだけ感謝してもしきれません。
献血はできなくなりましたが、誰かのために、私にできる何かをやりたい。
今の私ができることは、この病気を治して元気に走ること。
その姿を見てくださった同じ病気の方や、誰かの勇気に少しでもなれたら嬉しい。
そう思いました。
そのために、この現実を受け止め、話すことを決めました。
この先、私がまたレースを走れるのか。
それは正直まだわかりません。
私の病気との戦いはこれからもまだまだ続きます。
でも、皆さんの前でまた走れるように、先行できるように。諦めず、まずは一生懸命生きます。
だから、あたたかく待っていただけたら嬉しいです。
最後に。
私の治療に関わってくださる、すべての医療従事者と関係者の皆様、献血をしてくださる皆様、応援してくださる皆様、勇気と元気をくれる同期をはじめとする競輪関係者の皆様、どんなときも支えてくれる大好きな親友や先輩、そして、お父さんとお母さん。
感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。
こんなに長い文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!」(投稿全文)
◆刈込奈那(かりこみ・なな) 2021年5月1日デビュー。2022年2月21日平塚競輪で初1着。2023年10月4日松戸競輪で初V。

西スポ レース部(公式)・西日本スポーツ レース部X(@nishispo_race)より
