競馬

引退馬150頭、広大な高原に安住の地/自然の姿を目前で ーホーストラスト・その1【九州うま旅(8)霧島編〈上〉】

 鹿児島県北部・霧島山の西の端、栗野岳。その南西側に広がる高原にNPO法人ホーストラストの広大な牧場がある。こちらは競走馬など現役を退いた馬を預かる養老牧場。中央競馬(JRA)のGⅠウイナーや元乗用馬など約150頭の馬たちが、80ヘクタール(みずほペイペイドーム約11.4個分)ほどの放牧地に、昼夜放牧つまり放し飼いを基本に暮らしている。

広大な放牧地で草をはむ馬たち
広大な放牧地で草をはむ馬たち(ホーストラスト提供)
駆け寄る馬
 馬の方から駆け寄ってくることがあるかも!?(ホーストラスト提供)

 ホーストラストは2006年設立。理事長の小西英司さんが、馬の面倒を最後まで見る施設を作りたいという思いで始めた。共同放牧することで、馬が自然界で暮らすのと同じような環境をつくるとともに、厩舎に比べて飼養管理にかかるコストを抑えられる。これにより預託費を下げ、より多くの馬を受け入れることにもつながっている。

 昼夜放牧が基本とはいえ、高齢馬も多いだけに毎朝全頭のチェックを行うなど健康管理には十分留意している。体調に問題があれば厩舎で管理するのはもちろん、放牧地自体も馬への配慮として、暑さや雨風をしのげる森林を整備するなど、常に馬が快適な環境で暮らせるよう工夫している。

屋根の下の馬たち
屋根の下で井戸端会議

 「馬たちも最初は森に入って行かなかったのですが、近年、夏場はみんな森の中で休んでいます」と開業当時からのスタッフ大野恭明さん。馬同士のコミュニケーションが取れているようで「群れの中で代々受け継がれているみたいですよ」とのこと。

放牧地入口
自由見学可の放牧地入り口。餌をやらない、触らないなど、ルールを守って見学を
入口近くの馬たち
放牧地の案内をしてくれる?馬たち

 ホーストラストが管理する放牧地のうち、事務所に隣接する1カ所は時間内であれば直接訪問で見学ができる。この放牧地で暮らす馬たちとの間には柵など遮るものはない。大野さんは「馬にも放牧地にも季節ごとの表情があります。他では見られない、ゆったり過ごしている自然な姿を見てほしい」と来訪を呼び掛けた。

(次回に続く)

ホーストラストのアクセス

 鹿児島市街や鹿児島空港からは、周辺にも立ち寄りやすいレンタカーなどの車移動がおすすめ。鹿児島空港からは栗野インター経由で40分程度。鹿児島中央駅からは同じく約1時間。公共交通機関の場合は、湧水町ふるさとバスで「霧島アートの森」下車、徒歩11分。土・日・祝などのみの運行で、本数も限られているので注意。

《住所》鹿児島県湧水町木場6340-70

 MAPはこちら 

《営業時間》

自由見学 9:00~17:00

自由見学以外 13:30~14:30頃

※自由見学以外の放牧地、厩舎へは送迎車で案内。放牧地1カ所につき500円の見学料が必要。2日前までには問い合わせフォームか電話で予約をお願いします

《URL》https://horse-trust.jp/ (問い合わせフォームあり)

 放牧地の様子などを配信中のyoutubeはこちら

《電話》0995-74-1333

 

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