【競輪】競輪選手の平均年収が過去最高に ガールズは3年連続更新 2023年

JKAがこのほど発表した2023年の競輪選手賞金取得状況によると、全選手の平均取得額は1407万9345円で3年連続の増加。JKAによると、これまでの最高だった1998年の1315万4744円を上回り、25年ぶりに過去最高額を更新した。
【関連表】競輪選手の年間平均賞金取得額(1995年~)と競輪の年度別売上額(1990年度~)【表】
各レースの賞金額や手当の増額が全体的な増収をもたらした。1990年代後半以降は売上額の減少に伴って選手賞金も徐々に減少。2011年にはついに平均888万5858円と1000万円を割り込み、以後も1000万円前後にとどまる時期が続いていた。
その低迷を抜け出すきっかけになったのが、新型コロナウイルス期の巣ごもり需要。コロナでの開催中止が相次いだ20年こそ平均取得賞金額は前年より落ち込んだが、その間に行った7車立て(通常は9車立て)レースの拡大や、ミッドナイトのレース数増などの施策も効果を発揮し、以後は業界の売上額が急激に回復。選手にも賞金として還元され、最高峰のレースである年末のグランプリの昨年の優勝賞金は過去最高額の1億3700万円だった。
トップ選手層の賞金が上がっただけではない。ガールズやA級戦の賞金額も底上げされたことが全体の平均額の上昇につながった。特にガールズの伸びは顕著で、平均916万9054円は3年連続の最高額更新。ガールズケイリンが女子スポーツ界の中でも稼げる職業であることを示している。
年間1000万円以上を獲得した選手も男女計1602人(前年比263人増)と、05年(1633人)以来18年ぶりに1600人を超えた。

■競輪選手になるには
静岡県にある「日本競輪選手養成所」に入所し、1年間の訓練を受けた後にデビューする。
入所のための「一般試験」は、実際に自転車で1000mの独走タイムなどを測定する「技能試験」と、背筋力や跳躍力などの体力測定を主とする「適性試験」の2種があり、自転車競技の経験がない体力自慢も毎期、若干名が入所している。
いずれも5月に入所する男子127期、女子128期の一般試験は既に締め切られたが、世界規模の大会での成績優秀者を対象にした「特別選抜試験」は3月15日まで受け付け中。
来年5月に入所予定の男子129期、女子130期の一般試験は新年度に入ってから募集要項が決まる予定。