【競輪】九州地区プロ 中川誠一郎が復活V 5年ぶり3回目のスプリント優勝
九州の競輪選手が六つの支部に分かれて自転車競技を戦う「第51回九州地区プロ自転車競技大会」(九州地区プロ)が27日、熊本競輪場で行われた。熊本バンクでは2011年以来の地区プロ開催。スプリントでは中川誠一郎(45)=熊本・85期=が決勝で昨年Vの東矢圭吾(26)を破って優勝。3位は青柳靖起(24)、4位は橋本宇宙(25)だった。中川のVは5年ぶり3回目。4キロ団体追い抜きでは福岡が連覇。ケイリンは伊藤颯馬(鹿児島)が初優勝。今大会の上位は来年5月26日に青森競輪場で行われる全日本プロ選手権自転車競技大会(全プロ)に出場。全プロ上位選手はGⅠ寛仁親王牌(来年10月、前橋)への出場権や特選シード権を得る。団体戦は福岡が優勝を飾った。
【スプリント】
①中川誠一郎(熊本)決勝1回戦=逃げ10秒957、2回戦=逃げ10秒806
②東矢圭吾(熊本)
③青柳靖起(佐賀)
熊本の大黒柱が底力を発揮した。予選から中川誠一郎の独壇場。第一走者で登場すると、いきなり10秒634の好時計をマーク。その後、続々と各支部のスピード自慢が挑んだが、中川のタイムを抜く者は現れなかった。
準決勝で、昨年準優勝の青柳を相手に逃げ切りで快勝。迎えた決勝は同県後輩で連覇を狙う東矢。19歳も年下の相手で、本数は予選から4本目。スタミナ切れも懸念されたが、中川のスピードは衰えることを知らなかった。1回戦を逃げで圧勝すると、2回戦もホームで東矢の捲りに合わせて再加速。「中川さんが強い。2本目は合わされると思ったら、案の定、合わされてしまった」(東矢)。昨年覇者も脱帽の走りで無傷のVを決めた。
「意外といい走りができましたね。直前はGⅠ競輪祭の補充出走でバタバタしていたが、脚の感じも仕上がっていた。アップも間の休みもしっかりできた」。順調な調整が優勝の要因だが、それよりも熊本復活が原動力となったそうだ。「(準々決勝で負けた)昨年は心がかみ合っていなかった。今年は熊本で走れるようになって、気持ちが前向きになり、脚も戻ってきた」と笑みを浮かべた。
表彰式前にはライバルから最高の一言。「強かったじゃん。おめでとう! 今まで俺ばっかり勝ってごめんな」。この種目で9度のVを誇る荒井崇博から熱い祝福を受けると、誠ちゃんスマイルがさらに弾けた。