競輪

【競輪・127、128回生卒業記念レース】宮崎初の卒記女王 岩元杏奈は「T教場」ラスト世代

128回生の卒記決勝メンバー。優勝は3番車(赤)の岩元杏奈
128回生(女子)決勝成績
氏 名 府県 着差 戦法
1 3 岩元 杏奈 23 宮崎   追込S
2 1 酒井 亜樹 23 大阪 微差 追込
3 2 北岡マリア 19 石川 3/4身 マーク
4 7 千葉 捺美 30 群馬 1身  
5 5 岡田 優歩 21 和歌山 1身  
6 4 半田 水晶 27 茨城 1/2身 先行HB
7 6 今西 瑠花 22 大阪 1/2身  
1625メートル、2分20秒5、上がり13秒5

■ヒロイン
 宮崎県に初めて卒記女王が誕生した。優勝した岩元杏奈は、那須萌美(114期)に続く同県の女子選手。九州勢に広げても118期の尾方真生(福岡)しか成し遂げていない女子卒記Vを果たした。

 決勝への勝ち上がりを決めた後、「宮崎県は競輪の認知度が低い。自分のような選手になりたいという人が出てくるようになりたい」と静かに話した。これで一気に注目度が上がるはずだ。

 この3月をもって日本競輪選手養成所の瀧澤正光所長が退任。アドバイザーとなる。瀧澤所長の直属「T教場」で学んだ岩元は、決勝の前、同じT教場で決勝に進んだ岡田優歩と「どちらかが優勝できたらいいね」と話していた。優勝を決め、「まさか自分と一緒に所長も卒業になるとは思っていなかった。いい姿を見せられてうれしいです」と笑顔を見せた。この優勝には、ただならぬ思いが懸かっていた。

 それだけに勝ちにこだわった。決勝は前を取って、番手に飛び付く作戦。結果は鐘3角過ぎに3番手になったが、「うまくハマったので、焦らず対応できた。自分のタイミングで行った」。半田水晶と岡田のもがき合いを冷静に見ながら、終3半手前から捲り追い込んだ。だが後方から在所1位の酒井亜樹が外を強襲。「差されたと思っていた」が微差、退けた。優勝への強い思いが紙一重の激戦を制した。

 目標の選手は加瀬加奈子(102期)。「風を切っている姿がかっこいい。デビュー後は、先行できるところでは先行したい」と、先行の美学も心に抱く。148センチの小さな岩元が、宮崎競輪界に大きな旋風を巻き起こす。

 ◆岩元杏奈(いわもと・あんな)2001年3月9日生まれの23歳。宮崎県小林市出身。小1でトライアスロンを始め、県立都城工高で本格的に自転車競技を開始。日体大では主に中長距離で活躍した。大卒後は27年に国スポを控える宮崎県スポーツ協会に入ったが、周囲からガールズケイリンを勧められるなどしたことで受験し一発合格した。養成所の独走最高タイムは200メートル12秒26、400メートル25秒11、500メートル36秒72、2000メートル2分40秒98。3回の記録会の評価は全てAで、在所順位は3位。師匠は四元慎也(77期)。148.4センチ、52.2キロ、B型。

(左から)128回生の卒記で優勝した岩元杏奈、日本競輪選手養成所の瀧澤正光所長、127回生の卒記を制した三神遼矢

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■127、128回生卒業記念レース 総合前文

■127回生(男子)決勝成績など

■127、128回生 九州勢の活躍など

■127、128回生 九州勢の成績など

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