吉田航(26)大分 野球を断念して計6回受験
吉田航(よしだ・わたる)はプロ野球選手に憧れる少年だった。大分の高校野球の名門・柳ケ浦に進み、ショートを守った。
だがあるときから、ボールをまともに投げられなくなった。「イップスです。打つ方は得意だったので代打専門になりました」。守れないことでプロ野球への扉は閉ざされた。「父が競輪をよく知っていて、プロ野球選手になれなければ競輪選手を目指すように中学時代から言われていました」。もう道は一つしかなかった。
だが競輪選手も簡単になれるわけではない。「高3で適性試験を受けて落ちて、そこから技能試験に変えて5回目で合格。気を引き締め直してやっと受かりました」と長い道のりだった。
養成所では第1回と第2回の記録会でD判定。だが第3回ではAと成長を証明した。「自転車競技の経験がないからと、師匠に『先行ばかりせず、人の後ろでペースを見ながら走ってみなさい』と言われていた。それで自在に動いていました」。だが、プロでの目標は自在型ではない。
「九州を代表する先行選手になりたい」。苦労を重ねてここまできた。大輪の花を咲かせるまで、歩みを止めることはない。
①1999年4月7日、26歳②大分県臼杵市③柳ケ浦高④別府⑤中村大和・87期=引退⑥24位⑦11秒34、22秒74、1分08秒37⑧174.9、84.4、A

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